牛込門跡 「阿波守内」銘の石垣石

更新日:2022年10月03日

千代田区指定文化財(「阿波守内」銘の石垣石のみ)
平成18年4月1日指定

 牛込門は1636年(寛永13年)に、阿波徳島藩(現在の徳島県)藩主蜂須賀忠英(はちすかただてる)により築造されました。門の名称は、牛込方面への出口であったことによります。なお牛込の名称自体は、新宿区側の台地上に拠点をおいていた牛込氏・牛込城にちなむと思われます。
 この辺りは牛込(飯田橋)から四谷にかけて広い谷があった場所を利用して外堀を築いており、防御のため堀幅を広くしているといいます。門は1871年(明治4年)に撤去されました。
 赤坂見附から牛込橋にいたる堀や土手の遺構は、1956年(昭和31年)3月26日に、江戸城外堀跡として国指定史跡になっています。
 ここにある直方体の石は、牛込門の基礎として地中に設置された石垣石です。はす向かいの富士見教会の建て替えがあった際に敷地内から発見され、ここに移設しました。石の側面には「□阿波守内」という銘文があり、蜂須賀家(阿波守)が牛込門の石垣工事を担当したことを裏付けています。