今川小路共同建築跡

更新日:2022年10月03日

交差点脇に建つ老朽化した3階建て建物の写真

在りし日の今川小路共同建築(2011年12月撮影)

ツタが絡まる壁の前に設置された今川小路共同建築跡の説明板の写真

 場所:神田神保町三丁目 専修大学140年記念館(神田10号館)正面

 今川小路共同建築は、かつてこの場所にあった復興建築のひとつで、通称「九段下ビル」と呼ばれていました。1923年(大正12年)に起きた関東大震災からの復興の中で計画され、1927年(昭和2年)に完成した店舗兼住宅の建物でした。
 共同建築とは、一団の土地について所有権または借地権を有する複数の人が、共同で出資して建設した耐火建築のことです。震災後の東京では不燃化や耐震化が課題になったことから、積極的に建設が推奨されました。この今川小路共同建築は、東京における最初期の事例として、特に貴重なものでした。しかし、2012年(平成24年)老朽化により解体され、85年の歴史に幕を閉じました。
 2020年(令和2年)今川小路共同建築の図面など関係する文書33点が千代田区指定の文化財となり、その歴史を後世に伝えています。

今川小路共同建築関係文書

青い紙で作られた図面と扇形に並べられた資料を写した写真

千代田区指定文化財
2020年(令和2年)4月1日指定

 今川小路共同建築に関わる資料33点は、区の指定文化財になっています。資料には、区画整理から建物の建設にいたるまでの一連の流れを示すものや、共同建築の構造に関わる図面などが含まれています。共同建築を事例に区の震災復興の歴史を知ることができる貴重な資料群です。