旧井伊家中屋敷のカヤ

更新日:2022年10月03日

千代田区指定文化財
2009年(平成21年)4月1日指定

 イチイ科の常緑針葉樹であるカヤは、日本では福島県から屋久島にかけて分布する樹種のひとつで、大きいもので高さ36メートルに達します。弾性が強く加工しやすいという特徴から、碁盤や将棋盤の材料として珍重されています。
 このカヤは目通り幹囲が294センチメートル、直径が93.6センチメートル、樹高は約17.6メートルで、年輪の測定から200年以上の樹齢を持ち、江戸時代中期の1781年~1789年(天明年間)頃に遡ることが判明しました。当時この地にあった近江彦根藩(現在の滋賀県)井伊家の中屋敷内で生育していたことになります。
 かつて千代田区内には、江戸城内や大名屋敷の庭園などに多数の樹木がありましたが、今はほとんど残っていません。江戸時代以来の樹木として極めて貴重なものといえます。