山王稲荷神社本殿 狛犬

更新日:2022年10月03日

本殿に設置された山王稲荷神社本殿/狛犬の説明板の写真

場所:永田町二丁目10-5 日枝神社境内

山王稲荷神社本殿
千代田区指定有形文化財
昭和63年4月1日指定

 稲荷神社は、山王社が1659年(万治2年)麹町隼町から現在地に移される以前から、この場所に鎮座していたと考えられます。そして、1657年(明暦3年)の大火で焼失し、山王社の造営に合わせて、この稲荷神社も造営されたと考えられます。その後、江戸時代の火事や地震、関東大震災、戦時下の空襲などで境内の建造物は被害を受けて建替えられていますが、この稲荷神社本殿はそれらを免れて残った千代田区内で唯一の江戸時代初期の木造建築です。建築様式は、関東地方では珍しい縋破風形式の春日造です。

狛犬
千代田区指定有形民俗文化財
2000年(平成12年)4月1日指定

 狛犬は1820年(文政3年)、神田神社境内に鎮座していた南伝馬町天王社に奉納されたものでした。しかし、1885年(明治18年)2月13日未明に神田神社周辺で起きた火災により天王社本殿などが焼失したため、南伝馬町(現在の中央区京橋一~三丁目)の氏子たちは新たに日枝神社境内に鎮守として祇園社を造営しました。狛犬は1901年(明治34年)に日枝神社境内に移転、再設置されたと考えられます。